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いつか再び翼を広げて −茜色に沈んだ夕焼けの中で1-

 その日、買い物に出かけていた帰りの車の中で、はやる気持ちを押さえながら
携帯のインターネットを見て叫んでいた。
「勝ってるヤン!!2-0!!誰が得点決めたんや?カズか!!よっしゃー!」
 2000年11月18日(土) J1リーグセカンドステージ13節ジュビロ磐田との
アウェーでの対戦となった京都パープルサンガはこの試合を落とせばJ1残留が難しくなるかも
知れないという大一番、まさに正念場を迎えていた。。。
年間成績では総合15位。勝ち点22。 総合14位であったジェフ市原との勝ち点差はわずかに4差。
 ジュビロとの結果次第、そしてジェフの結果次第ではまだ、
残留の可能性が残るだけにどうしても落とせない1戦だった。

 考えてみればその年はサンガにとって苦しいシーズンだった。
前年の後期から加茂周氏を監督に迎え、カズも獲得。
それらの効果が融合してサンガは一時2位にまで上り詰め、首位争いを演じていた。
まさに、今年は上位争いに顔を出すといった期待さえ持たれ、前年以上の成績を残せるだろうとも
言われていた。
 「カズがいるし、今年はサンガは調子がいいんじゃない?いい結果のこせるんと違う?」
友人、知人が私に言った言葉になぜか?曖昧な返答しか出来なかった。
毎年のように入れ替わる選手交代に、昨年までいた選手数名が入れ替わり、再び顔ぶれが代わって
しまったサンガにニュースを見るたびに首を傾げたくなるような思いが募っていたのを
はっきりと覚えている。
そして、発表されたシジクレイの移籍。。。
 レッズから中村忠、ベルマーレから松川友明。選手補強としては各ポジションごとに
効果的な戦力補強をしたように見えたけれど
シジクレイがいなくなったことが私には悔やまれてならなかった。。。
「シジ・・・・なんで放出するの!!」

「やばいんじゃない?」そう言ったのは同じサンガを応援している仲間の一言だった。
「シジの放出は失敗でしょうね。。。これでDFが不安定になるかもね」
「シジでゲームを組み立てている部分があったしね。。。なんで手放したんやろうね。」
そんなやり取りをしながらもファンクラブから届いたイヤーブックの記事に「今年は期待してるよ!!」と
矛盾した思いを胸に開幕に胸をときめかしていた。

しかし、開幕戦の結果を知る前に自宅用のカギにつけていたJリーグ昇格記念に発売されたキーホルダーが
偶然にも外れ、落ちてしまった瞬間、背筋に悪寒が走った。。。
「これは。。。。いやな予感がする。。。今年はもしかすれば・・・」
考えたくない思いが頭をよぎった。

テレビで中継録画を見た開幕戦に本当に今年はやばいかも知れないという予感が本当に的中するなんて
その時の自分には想像もつかなかった。。。。
そして開幕戦に対戦した相手がジェフ市原であった事もその後降格争いを演じる相手になろうとも、
知るよしもなかった。
1-6開幕戦は惨敗だった。。。ズタズタに切り裂かれるDFラインにテレビを観ているのが辛くなり、見ていられなかった。
ホーム開幕戦であったセレッソとの対戦でも同点に追いつきながらも勝ち越された。
「ダメですわ・・・・ちょっと不味いですね・・・」セレッソとの試合終了後、仲良くしてもらっている
セレッソサポーターの方につぶやいた。
「まだ始まったところやから・・・。まだまだこれからでしょう!!気を落とさなくても巻き返せるよ」
慰められた言葉にもいつもなら「まだまだ!!これからこれから!!」って
はっきり言っていた言葉がなぜかその時は出なかった。。。。
 そのセレッソ戦の後、ひょんな事で連休を利用して練習場に行こうと思い
車を飛ばして観に行った時に見た光景はとても和やかだった。。。
どうしても練習を見たいな!って思いだけで城陽にある練習場へと足を運ばせたのは
ただ不安をかき消したい思いだけだったのにその時見た光景にサンガの選手の笑顔がこぼれていた。
時折笑い声さえ聞こえる。
 「おいおい・・・みんな笑ってるよ・・・・。(笑)リラックスしてるのかな?でも・・・いいのかな・・・
そんなに笑って・・・・。2連敗してるのに・・・もっと危機感とかあると思っていたけど。。。」
裏を返せば練習でも試合と同じように神経尖らせてガチガチになることはないということも
あったのかも知れないけれどでもそれでも笑顔が見えるサンガの選手に不安が募っていた。

ホーム2戦目にしてようやく1勝目を上げたガンバ戦に仕事中に見たインターネットのサンガのオフィシャルサイトに
「やっと勝ったか・・・。」と拳を握り締めて密かに喜びを爆発させていた。
「ああ・・・そうか。。。あの時見た練習での光景も皆本当は内心悔しさとか、不安はあったんやろうな。
 そういう事も必要なんだね。。。あの笑顔が逆に試合では力になるだろうな・・・」って振り返った。

ガンバ戦で上げた1勝が
「これからサンガの今期開幕戦なんだ!ようし!!もっと西京極で、声上げて応援するで!!」
って自分に励ましの言葉を言っていた。

その時までは、確かにそう思っていた。 
まさかこの1勝から神戸戦まで2勝目を見ることができなっかたとは、その時の自分には思いもよらなかった。

(2)へ続く。 

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