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サンガに託す。−再起を賭けた戦いー(後編)

 開幕序盤はいつも躓いているのはやむ終えない。まだ、始まったばかり。
取り返せるだけの力は今のサンガには付いていると思いながら観ていたサンガに襲った
アクシデントは短期決戦型の今のJリーグにはあまりにも過酷であった。
怪我人の続出にまとまらない戦術。まとまりは選手間にも現れ彼らのサッカーに
ズレが生まれた。
そして、監督交代が2回。ファーストステージ中断期間中に行った断行は過去のサンガに
逆戻りしたかの光景だった。
「フロントのパフォーマンスでしかない」と語ったその言葉とは裏腹に失速したチームは
監督交代を皮切りに補強も首を傾げるしか出来なかった。
朴が抜けた穴埋めに中盤に気を持ち、得点力不足を解消できないままシーズンを終えていくことと
なるのはあまりにも悲しすぎた。
「いつかは取り返せる」そんな選手の気持ちは慢心をも生み、いつからか選手たちからは闘争心さえ
消えうせているように写った。。。
中途半端なやり方はいずれツケを生む。
サンガの戦いを通じて見ていた自分も幾多のアクシデントに悩まされる。
夏場ごろから体調はおかしくなり、そしてサッカーのプレー中に怪我にも悩まされた。
全治1ヶ月にも及ぶ怪我は生まれてこの方犯したことの無いものだった。
もちろん仕事もままならない。。。
いつからか自分の中にも焦りは生まれだす。
自分にも考えられない事は腰の怪我が落ち着いた頃
サンガは新しい監督を招聘しても深い溝に落ち込んでいることに変わりなかった。
セカンドステージなんとかそこそこ戦えるように落ち着いたと思っていた中、終盤には下位との
直接対決に見事に敗れ、その状況はもうどうしようもないままにきていた。
それは自分も同じだった。腰の怪我は落ち着きようやく完治し、落ち着いたと思っていた時
やはり同じように深い溝に叩き落とされているんだなと痛感するしか思えないように
再び怪我に襲われた。
仕事中に怪我をして今度は指の骨折。
サンガの戦いをその状況下の下で見ながら流れに逆らえずにもがいていることに気付いた。
「ああ、こういうものなのか」
自然と思うなかセカンドステージ西京極最終戦。
この日は自分の誕生日。初めてだった、サンガのゲームと誕生日が重なるのは。
だから記念に誕生日プレゼントが欲しい。サンガの勝利が欲しい。
だが、それでも自分の期待とは別に最終戦を落とした。
そしてセカンドステージ最終戦、万博でのガンバ大阪との雨中の決戦は00年のサンガ降格と
同じような展開だった。。。勝つには大量得点が必要だと。。。
仕事の都合上行けずにテレビで見ていた時、5点差で勝てる状況を逆に5点を取られるという
見事な惨敗だった。。。5点目を決められた時、思わず、天井を見上げた。。。
「ああ。。。神様。。。」流れる涙は止まらなかった。
00年の神戸戦でのVゴール負けで決まったJ2降格のとき以上に流した涙は
「ああ。。。自分だ。。。サンガの今年は自分なんだ」
と思って仕方がなかった。。。
怪我、解雇予告。。止められない流れ。深い溝に落ちた自分。。。
勢いならそれで乗り越えられる部分も今年は止められずに気が付けばすべてが
起こっていたと同じくそれはサンガと同じようにズルズルと流れに飲まれていた。。。
「なぜこうなったのか・・・」と考え込んで見ても甘さは
全部ツケとなって帰ってくる。
怪我は落ち着き、ようやく収まりを見せた時、04年を迎えサンガも
また新しいシーズンを迎えようとしている。

 過去の反省はいくらでも出来る。あとはどうするかだ。。。
今回の降格は欠けている部分を埋められずにいた代償かもしれない。
慢心は闘争心も消えうせ成長も止めてしまう。
悲しいかな天皇杯優勝という歓喜も雨の中に消えていった。。。
だが、しかし、確実にそれはサンガが気が付けば見事に成長した証でもあった。
だが、その次の行動が無かった。
痛みを伴いながら人は強くなる。傷つきながらも人は歩き続ける。
さらに強くなるためには数々の苦難を乗り越えていかなければならない。
たしかに、J2降格はとても苦しいし、簡単はJ1へと這い上がることは厳しいだろう。
だが忘れてはいけない一度味わった苦しみと屈辱と、地獄はやがて報われる日が来る。
苦い経験を糧にサンガは1月下旬に始動した。
そして、補強もJ1とは遜色ないほど豪華な顔ぶれとなった。
J2では最高の選手層となっただろう。
だがいくら面子が揃っても勝たなければ意味がない。
そして、J1復帰という目標がある部分選手にもまとまりは生まれるだろう。。。
しかし、復帰という肩書きがあるからこそまとまるのでは意味が違いすぎる。。。
J1復帰というのはあくまでも一つの段階でしかない。
本来なら、残留しても選手が一体とならなければいけないのだ。
復帰を成し遂げてもそれからが必要だし、J1で常連にならなければ意味が無い。
毎年降格危機に喘ぐクラブでも、回避するクラブはある。
欠けていた部分がサンガには多すぎた。代償は大きいかもしれないが、
2度の降格で目が覚めてほしいとも痛感している。

 人は忘れやすい生き物だ。過去の喜びも悲しみも、思いでも全部忘れていく。
だからサンガよ、常に思い続けて欲しい。降格という屈辱を。
彼らに課せられたノルマは大きい。
今年、彼らは「復活」という言葉を合言葉に戦い続ける。
「復活」。それは自分にも当てはまる。
怪我に泣かされ、人生も大きく変わった。だからサンガよ
君たちと共に自分も戦い続ける。
君たちの戦いを見続ける。
サンガに託す。。。
再起を賭けた戦いに。。。もう一度、歓喜に沸き返る日を想い描きながら。。。。

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